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イヌイットの雪の家

きのうの家の続きであります。
おかしい、まことにおかしい(笑)。
雪で家を建てるんですよ、って、ちょうど会合があった
工務店の経営者のみなさんに話したら、
さまざまな反応が。
いわく、「ほえ〜、中で暖房したら、朝には溺死かよ(笑)」みたいな
そういう反応もあったのですが、どうもそうはならないようです。
体験的に知っているのは、雪で作れば零下にはならないということ。
まぁ、前述の反応は、日本的、関東以南工務店的な反応で、
北海道的な工務店さんは、それ、なんとかなるよ、
っていう住宅性能理解派が多かったですね。
そうなんです、雪って断熱材の働きをするのですね。
細かく空気の粒を抱っこしているという意味では
かなり断熱材として優秀なのです。
イヌイットのひとたちは、極北に生きる知恵として
こういう自然の摂理を体験し続けてきているのでしょうね。
 
にしても、この写真の「建て方」は面白い。
まぁ、雪の家というのはかれらにとっても、
仮設的な家でしょうから、もっとも原始的な形態である
ドーム型を選択して、それを雪のブロックで断片を作って
積み上げるという建築工法をとっている。
こりゃぁ、誰にでも出来そうだ。
当たり前ですね、かれらには建築の専門家がいるわけでもないし、
設計図といっても、先達の頭のなかに明瞭に描かれているだけ。
厳密な作り方は出来るわけもないから、
おおまかに断片を制作していって、
最後に天井に蓋をするように最後のピースを仕上げるときに
いびつさを、すべて問題解決させるのでしょう。
「住宅クレーム」など、起こりようのないアバウトの世界。
でも、完成したら、歓びは堪えられなさそう。
みんなで作業している様子はこびとさんたちの作業風景のようで
これもユーモラスです。
住宅って、こういうおおらかさが本来、必要なのではないか。
わたしたちの民族の家の建築でも、こうした集落の集団作業工程があって、
そのことが、コミュニティの大切な「絆」と結びついていた。
建築が専門化して、一般人がそれを作業するということから
遙かに遠のいてしまった社会になってしまいましたが、
それで、どれだけわたしたちの住宅の豊かさは大きくなったでしょうか。

ちょっと憧れてしまう、家づくりだと思います。

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